2013年3月17日日曜日

Lepai LP-2020A+ その4 スピーカのポップ音対策


 Lepai LP-2020A+の改造第一弾。まずボリューム周りから。

前回の課題から

1.電源スイッチON/OFFのポップ音(ボツ音)

この LP-2020A+の構成では、電源スイッチがON時は回路でディレイで発生させ3秒ぐらい時間が経ってからスピーカ出力のリレーがONするようになっています。ON時は工夫されていが、これでもボツ音が出るのは出力のDCオフセットのためと思われます。
 OFFの時は特にシーケンスもないため、各コンデンサの放電具合で回路状態が変動して大きな音が出ると考えられます。
 リレーの駆動回路を眺めながら考えたのですが、回路を大きく付け加えるのも面倒なので、スイッチ付きボリュームのスイッチでリレー回路をON/OFF出来るようにすることにします。
 

3.ボリュームの小音量時のアンバランス

2連のメインボリュームの値を測ってみると左右バランスがズレているため小音量時の音も左右バランスが崩れてしまっています。特に音量が少ない時に左からは音が出てません。実際のこのブロックは下記の図のような使い方になってます。
メインボリューム付近の概略ブロック図
※IN左側にもインピーダンスが存在する。
上の1と3の問題と合わせて、ボリュームも交換することにしました。

具体的改修方法

ボリュームはマルツパーツ館のRD925S-QA1-A203を、合わせてボリュームのつまみ25X15JXS-7にしました。
 このボリュームの交換は、元々のボリュームと形が違うので工夫と多少の工作力が必要です。今回はボリュームにスズメッキ線で脚を付け足して成形してから高さを合わせて実装しました。
LEPAI LP-2020A+ main volume
ボリューム交換前

ボリューム交換後

 スイッチの配線と合わせて、後ろから見るとこのようにしました。抵抗とリード線はポップ音対策です。


 後回しになってしまいましたが、ポップ音の対策方法について説明します。
 
 ざっくり元の回路を説明すると、POWERスイッチにより印加される電源線に接続してる抵抗分圧回路から充電される220uFのコンデンサがあります。POWERスイッチがオンして、このコンデンサが充電していき、充電電圧が約1.3Vぐらいになると、ベースが接続されダーリントン回路のトランジスタがオンしてリレーのコイル電流を引いてリレーがオンする構成です。POWERスイッチがオフになるときには、220uFから主に抵抗を介して放電していきダーリントンのトランジスタがオフすればリレーが切れます。POWERスイッチがオフした時のこのリレーの切れが遅いので、死に際のアンプの暴れ具合がスピーカに出力されてしまい、ポップ音(ボツ音)になっていると思われます。

 このような原因と思われるので、アンプの死に際の暴れる状態がスピーカに出ないように改修します。アンプを止める時に切るためのシーケンスをマニュアル動作でワンステップを追加することにしました。
 スイッチ付きボリュームを使って、POWERスイッチを切る前に、ボリュームを絞ってオフまで回すようにしてスピーカを先に切ってしまうステップを入れて、その後でPOWERスイッチを切るようにします。逆に入れる時はPOWERスイッチをオンしてから、ボリュームを回して、スイッチをオンしてから、音量を上げるようにします。このように考えて、ボリュームのスイッチを使えるように回路に組み込みます。
 元の回路は先に説明したようになっているので、基板上のR5の33kのチップ抵抗を外して、ボリュームのスイッチに同じ値の抵抗をシリーズに入れて、POWERスイッチで入る電源線とR5のランドにそれぞれ接続します。
R5付近およびPOWERスイッチ後部配線
スイッチ回路概要
※実際には33kはスイッチの前後に分割してます
図の黄色とピンクっぽい線がボリュームにスイッチからの線です。黄色線がR5ランドのダーリントントランジスタ回路のベースに接続される側です。

 この構成にすることで、POWERスイッチがオンして、ボリュームのスイッチがオンしたら、上記の回路の抵抗分圧回路に電圧が加わり、リレーがオンします。切る時は、ボリュームを絞ってスイッチをオフにすれば、上記のコンデンサは放電してリレーがオフして、スピーカがアンプ出力から切り離されますので、切る時のポップ音は大きく低減できます。ボリュームのスイッチが切れてからリレーが切れるまでの時間は元と変わらないのですが、POWERスイッチを切るまでの時間は稼げて、先にスピーカ出力が切れるので、ポップ音は大きく低減できました。

 この改修で、スピーカのポップ音は低減できました。これ以上にポップ音を下げるにはスピーカ出力端子のDCオフセットを減らすしかないと考えています。回路的な変更は最小で、使ったボリュームの実装に工夫が必要ですがボリュームもなんとか高さも巧く合わせられました。ボリュームの軸とつまみ(アルミの削りだし)がフローティングのままなのがちょっと気がかりです。ノイズが乗るようならGND接続の対策を考えましょう。

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