2012年5月13日日曜日

ヘッドホンアンプを造ってみた その2

今回のヘッドホン回路で「思い」的なところは、出力トランジスタのベース端子とオペンプの出力端子を接続する大容量コンデンサの設置(図の赤丸)部分。
上の図の回路のままでも、いわゆるダイヤモンドバッファ回路でも同じなのだけれども、オペアンプから出力トランジスタまでをDC直結の回路構成のため、なんとなくオペアンプの出力部の動作と反対になっていることが気になっていた。
 過渡的にオペアンプ(OP1)の出力電圧が高くなると、Vcc-Vo間の電圧は小さくなり、抵抗Rに流れる電流は減る。減った電流の中から、トランジスタT2のベース電流となって出力電圧Voutが出力される。
気に入らないのはこの部分。本来は、出力電圧Voutが高いときは、出力電流の大きくなるのだから、このバイアス回路の電流も十分に増やしておきたい。しかしながら、実際は出力電圧が高いときにはバイアス電流は細っていて、その細った電流で大きな電流が必要となった出力トランジスタを駆動する。
 回路を単純化して、その中でうまく動かしているのだから、それは致し方ないことではあるけれども、簡単にもう少し改善できないだろうか?
 ということで、今回のコンデンサ追加の回路になったわけである。

思いとしては、オペアンプの出力VoとトランジスタT2のベースがコンデンサで接続されたので、Voが上がると、Voの出力端からコンデンサを介してトランジスタT2のベースに電荷が注入される形になる。前の回路よりは、オペアンプが出力トランジスタを駆動している感は出ていると思う。
 ブートストラップと云う回路なんだけど、この方式であれば、過渡的にはトランジスタのベース電圧をVcc以上に持ち上げることもできる。これはこれで、いろいろ問題は出るだろうけど。
 それに、コンデンサの無い以前の回路でも、ダイオードは導通しているので交流的には短絡しているから、最終的に電気的には同じ動作ではあるのだけれどもね。 
 ただ、自分としては、気分的に「こうしてみたい!」というのが今回の回路構成でした。


2012年5月2日水曜日

ヘッドホンアンプを造ってみた

さて、前回から時間が経ってしまった。気候が良くなって、花粉も減った(?)こともあって、庭仕事に掛っきり。そのまま連休に突入!天気のいいうちに...というわけで、アンプ系が全く進まない。そのくせ、やってみたいことの材料の仕入れだけするものだから、ちゃんと計画たてないといけないか、と自己反省。

なんとか眠気を払って、iMacに接続するヘッドホンアンプを造ってみた。いつもようにケースには入れず裸状態。
ヘッドホンアンプ写真 結構無理やりなつくり...

とりあえず回路はこんな感じ。
ヘッドホンアンプ回路図
回路図にあるオペアンプにmc1458とあるが、実際はNJM2114である。電源間のコンデンサは図上では省略。
説明すると、オペンプを用いた電圧利得0dBの電流バッファ。オペアンプ出力から最終出力段までのもって行き方は、あまり見ない形かもしれないが、
トランジスタ回路部 左右の回路は等価
図に示すように左の回路は、トランジスタをダイオード接続したので、比較的良く用いられる右の回路と等価である。左の回路のメリットは、出力段と同じ種類のトランジスタで構成できるので、Vbeや温度特性などがバラつかない。また、上下対照の構成にすれば、カレントミラー回路構成でもあるので、バイアス電流の設定などもやりやすい。安定して造れるところかな。出力の330uFはいずれ省くつもり。
トランジスタは2SC1815GRと2SA1015GR。電源の±12VはAC電源から整流しシリーズレギュレータで生成したものを接続する。
オペアンプの出力段に接続されている100uFについては、思いの部分なので後ほど説明してみたい。
 半月前の配置しただけのアンプの写真は、まだそのまま寝ています....(これでいくつ宿題を溜め込んでいるやら)