2012年1月29日日曜日

趣味の電子工作に貴賎はない!

最近、またこんなブログを書き始めているので、電子工作をされている様々な方のホームページを拝見させてもらっている。皆さん、それぞれ主張があって、面白い。なるほどと思うこともあるし、そうか!と考えさせられることもある。これな、ネットの良いところだ。
 ただ、少し基本的なところが違う方もいるようで、それは少し残念。
 私の電子工作の基本的な考え方は、たとえどんなことであっても、電子工作に興味を持って自ら実施していること、考えていること、関わっていること、に価値があるという点にある。
 自らの技術を誇るだけならいいけれども、なかには、他の方を貶して蔑むような扱いで書いている方がいる。私としては、どんなに技術が優れていてもそこに立つことはできない。セットのOPAMPを良く分かっていないで交換しようが、私としてはそれはそれで立派と思う。
 技術でモノを創りだしていることに、幅広く多くの人が関心を持つことこそ、私には最大の価値があると思うからである。

 しかしながら、この間のスピーカアンプはキワもの適当すぎた。ああ、恥ずかしい。

2012年1月25日水曜日


回路定数の決め方(概略 自分で書いて、冷や汗が出る
回路定数を決める上で必要な値として、iMacのヘッドフォン端子のオーディオ出力は最大1.6[Vrms]なので、ピーク電圧で±2.26[V]。この出力インピーダンスは24[Ω]未満とあるから、アンプ側はそれよりも十分大きいインピーダンスで受けて、可変抵抗で入力レベルを調整して出力レベルを変更する。今回は1kΩの可変抵抗で受けるとした。
それから、電源電圧は、多くのOPAMPが使えることを考え±15[V]、電源はレギュレータICを78/79シリーズのNJM7815、NJM7915を使うので、出力電圧と出力電流の負荷特性例のグラフから、通常は1[A]まで。過電流保護はフの字特性だから、1[A]以上では使ってはいけないのだが、趣味だから、過渡状態のピーク電流を2[A]までは許すとした。
スピーカはMacの横に置いて使うので普段は1[W]も出さないので、最大でも4[W]ぐらい。スピーカのインピーダンスr=6[Ω]でP=4[W]とすると、

   

から、出力電圧V=4.9[Vrms]となり、最大入力1.6[Vrms]の3.06倍になるので増幅度A=約3倍でよしとした。非反転増幅器の増幅度Aは

   

であるから、E24系列からR10=510[Ω]、R9=1[kΩ]とした。
4[W]だと出力電圧は4.9[Vrms]ピーク電圧では6.93[V]となるので、約±7[V]までは出力できる必要がある。15[V]の電源電圧から6[Ω]の負荷に7[V]の出力電圧を得るには、1.17[A]の出力電流なので、出力トランジスタのhfe=100とすると、ベース電流は約12mA必要で、出力電圧7[V]+トランジスタのVbe+エミッタ抵抗x1.17[A]=約8.5[V]となるので電源電圧との差電圧は約6.5[V]、この6.5[V]でベース電流12[mA]を確保するには電源電圧と出力トランジスタのベース間の抵抗は535[Ω]以下であることが必要である。



ここから先を決めていくのは、それぞれのトランジスタの特性が把握できていないと難しい。趣味の範囲だと、特性を確認することもままならないので、今回は適当に定めた。出力トランジスタのアイドリング電流は150[mA]。

ここまで振り返ってみると、いかに適当に造ってしまったか、冷や汗が出る。反省!すべて自分の機器だから、壊れても燃えても破裂しても、自己責任という趣味の前提だから、これでもなんとかいいというレベルだ。皆さん、このままは、造らない方が良いよ。次回は、もっとまじめに回路を造ろう。

この構成は、出力電圧が振れたときに出力トランジスタの一方の電流が流れなくなるAB級だから、高調波歪みが発生してしまう。次のスピーカ用のパワーアンプは、そこを変えたものにしたいなあ。

2012年1月21日土曜日

自作オーディオの面白さ!

このブログでも自作のオーディオ機器を載せているが、趣味で行うオーディオというのは実に面白いと思う。感性と数値と思い込みが混じっていて、しかも他人もある程度は再現できるところにある。
例えば、音源は同じ市販のCDを使えるから誰でも同じ条件にはできる。しかしながら、そこから先の経路と最終的に聞くのは個人の判断であるので、客観的ではない。また、数値で表せる、例えば歪み率や周波数特性などの部分もあるけれども、それらの数値はあくまで音源を再生する一部の特性であって、他の数値情報をもってしても音の良さを表しきれているものではない。
であるから、おそらく音の良さの基準は個人で千差万別であろうけれども、大まかにはいくつかに分けられるから、議論があり、対立があり、怪しいものもある。だからこそ、趣味でも手が出せる面白い分野と思う。
私は基本的に創って動くのが楽しいので、自分の耳には自信がない。だけれども、自分で創るものを含め、Web上の情報も、自分なりに考え判断して、よりできれば良い音を目指したいと思っている。
気ままに、なので、自分の考え方の変遷も含めて、ここに書けていければ良いなあ、と思う。
読んでくださった方、これからもよろしくお願いします。

2012年1月20日金曜日

小型スピーカアンプSPAMP-1の設計

この間アップした小型スピーカアンプSPAMP-1について、コンセプトというほどでもないけれど、こんな考えで設計、を書いてみる。

 基本的コンセプト
  1. OPAMP(オペアンプ)を使う。
  2. そこそこ単純な構成にする。
  3. それでいてスピーカを数Wの駆動できる。
1はOPAMPの差し替えで音の違いがわかると面白いので、今回の外せない条件。しばらく前から話題のMUSESなんか試してみたいということ。耳とソースがそれに追いつけるのか?ということはさておいて。
2はユニバーサル基板で造るのが大変だし、そこそこ大きさを小さくしたいから。3は10cmぐらいのスピーカユニットを手に入れてエンクロージャーも作る予定だったから。スピーカの話と、アンプを動かすための電源についても、そのうち書くとする。

回路構成まで決め方

こんな前提で、構成を考えると、2回路OPAMP1個でスピーカ駆動のための出力バッファが大筋で定まり、あまり大きくしないとなると入出力にコンデンサを使わないDCアンプとなる。
さて、出力電流能力の乏しいOPAMPからスピーカを駆動するにはどうするか?気分的にOPAMPの出力をできるだけスピーカまで伝えたいということから、OPAMP出力からスピーカまでの電圧利得は0dBとしたい。こうするとエミッタフォロワで電流能力を上げて、という構成になる。

最終の出力段をエミッタフォロワにすると、NPNトランジスタとPNPトランジスタを組み合わせたインバーテッドダーリントン形式が妥当。
インバーテッドダーリントン回路
出力段はNPNとPNPだから、それぞれをインバーテッドダーリントン回路として組み合わせると、いわゆるダイヤモンドバッファ回路の構成になる。
ダイヤモンドバッファ回路
Tr1のバイアス電流は簡単に作るため電源から抵抗だけでもってくるとした。
 趣味の場合の結構な問題は、トランジスタが何になるかは手に入れるまで確定しないこと。だから、ざっくり検討で構成を決めて、トランジスタを手に入れてから必要に応じて回路定数の再調整になるつもり。そうはいっても造ってしまってからの素子を追加するような調整はあまりしたくないので、多少は予防的な回路とした。
 出力段トランジスタTr2のエミッタと、前段のOPAMPからトランジスタTr1のエミッタに抵抗を入れることにして、出力段のバイアス電流の調整を広くできるようにした。
 大まかな構成についてはこんな感じで。
 
今回はここまで。

2012年1月16日月曜日

Parallels で Ubuntu で Qucs !

iMacがMac OS X Lionになってから、しばらく放っておいたParallelsをParallels Desktop 7にバージョンアップ。ついでに、Windows XPしか入れていなかったので、見かけが寂しいこともあってUbuntu 11.10をインストールしてみた。Parallelsウィザードだと11.04になるようなので、サイトを参考にイメージをダウンロードして読み込んであっさり完了。
何か入れようと探しているとソフトウェアセンターに回路シミュレータのQucsを発見。あってあたり前なのだろうけれども、とりあえずインストール。これもあっさり完了。何とも便利なものだ。そのついでに数式処理ソフトのwxMaximaもいれてみた。
そんなに入れてどうする?大したことに使う訳でもないのだけれども、でも、動かしてちょっと満足!QucsはSPICE系のシミュレータではない、というところが、なんか使ってみたくなるのだよね。

このような素晴らしいソフトウェアを創っていただいている方に、いつかは恥ずかしくない使い方をしたい、と思うのだけれど....その道は永遠かもしれない。

2012年1月15日日曜日

いまさらながら2011アンプ1

年が明けて何かを始めようと、この休眠ブログを再開。とはいっても、内容は昨年に本当に気ままに造ってきた有象無象の振り返りからスタート。
まずは、小型スピーカアンプ1。
iMacの外部オーディオアンプとして小型スピーカを鳴らすために製作。
構成はDC直結アンプでOPAMPにダーリントンっぽいAB級トランジスタバッファ構成。
小型スピーカアンプ SAMP2011

回路図は右チャンネル分で同じものが左チャンネル分あってステレオ1回路である。
ほどほどのスピーカをまあまあシンプルにでこの回路に。出力パワーを比較的小さな2SC3421/2SA1358のトランジスタで稼ぐために3素子の並列とし、エミッタ抵抗で電流が集中しないように平均化。2SC1815/2SA1015を使っているバイアス構成部分も次段のトランジスタのバイアス電流と、過渡的に消費電力が過大にならないような抵抗値にした。電源電圧が高いので、利得の最大はこれよりも高くできるけれども、各素子の消費電力を考慮してこのぐらいに抑えた、というところである。
ヒートシンク装着前
ペプシneoヒートシンク装着! アルミ缶から作成
これでも電力的にはトランジスタも無理しているので、出力トランジスタには自作の放熱板(ペプシneoヒートシンク!)を作成。これの放熱性は計算していないけれども、趣味の工作だから無いよりはましというとこでご愛嬌。
出来上がってのところではオフセットもまあ許せる範囲だし、スピーカから音も出ているし、壊れることもないので、趣味の範囲ではいい感じである。
課題は、ご覧のように回路には電源投入時のボツ音対策がないので、スピーカに気合いを入れた後で聞く状態になるところ。
OPAMPはソケットにしたので、8ピンの製品なら差し替え可能なので、今後は試し聞きできる。いろいろ変えて聞いてみる。現在はNJM2114DD。代えても、iMacのヘッドホン端子が入力という前提だけどもね。
小型スピーカアンプ  SPAMP-1  (電解コンは電源平滑用で回路図には未掲載)