2013年12月1日日曜日

LTspice IV for Mac OS X を試してみました。その1

 リニアテクノロジー社(Linear Technology Corporation)のLTspiceにMac OS X 10.7+版が出ていたので試してみました。これまでは仮想化のWindowsXP上でLTspiceを使ってみましたが、Mac版は初めてです。
 
 インストールは簡単。リニテク社のホームページの
 Home>デザインサポート>ソフトウェア
 からLTspiceIV.dmgをダウンロードしてダブルクリック、
 上のLTspiceをApplicationsにドラックして終了です。

 さて、使い方ですが、いまのところ

・新しい回路図は、 File > New > New Schematic ⌘4 で作成
・部品の配置は、回路図シート上で、右クリック>Draft>Component
でライブラリから探して配置できます。
・GNDはちょっと探しましたが、回路図シート上で「g」キーを押すと出てきます。
・配線も、右クリック>Draft>Wireで配線できました。

・部品の回転は、右クリック>Edit>MoveかDrag で部品をつかむと、回路図シートの上部に指示が出ますので、Ctrl-Rで回転、Ctrl-Eでミラーになります。
・パラメータは、部品上で右クリックすれば各パラメータ入力のウインドウが出て入力できます。

・シミュレーションのやり方は、回路図シート上で、右クリック>Draft>SPICE directive で
が出ます。SPICEのドットコマンドを入力して、シート上に配置します。
あとは、回路図シート左上の
 をクリックすれば、コマンド通り実行されます。
実行すると結果のrawファイルを表示するウインドウが出てきますので、
をクリックして、表示させたいノードを選択するか、回路図上の表示したいノード上にカーソルを持っていくとプローブの絵が出ますので、クリックして表示できるようです。

今日は、ここまで。

2013年11月30日土曜日

Raspberry PiのBonjour互換設定、無線LAN WEP接続のメモ

 Raspberry Piの有線LANは問題なく接続できたので、無線LAN化してみることにしました。

 まずは、有線LAN接続だけで起動し、データベースとソフトウェアの更新をしてきます。
 ちなみに、我が家ではMacからSSH接続。

  sudo apt-get update
  sudo apt-get upgrade


無線LAN接続の前にBonjour互換の設定

無線LANとは直接関係ないけれど、Raspberry PiのIPアドレスは固定にしていないので、接続する時にいちいちIPを調べるのは面倒。そこでMacで装備されてるBonjourが使えるのかネットで調べたら、Raspberry PiでBonjour互換のavahiというサービスが入れられるようなので、入れてみます。

  sudo apt-get install avahi-daemon

 再起動して、

  sudo reboot

 接続してみます。特にホスト名は変更しないとraspberrypiとのことなので、

  sudo ssh pi@raspberrypi.local

 で、私の場合は最初にmacのパスワードの要求、そのあとでraspberrypiのパスワードで接続OKでした。

無線LAN接続の設定(WEP)

 さて、次に無線LAN接続。無線LANはUSBに挿せるお安くて手頃なBUFFALOのWLI-UC-GNM2で試します。
WLI-UC-GNM2


 ネットで調べると、大部分はWPA接続の説明が多いのですが、我が家はWEP。調べると、次の設定で行けそうです。

 まずは、Raspberry Piの電源OFFして有線LANとWLI-UC-GNM2を挿して起動。
 sshで接続してから、viで/etc/network/interfacesを編集。wpa行を#でコメントアウトし、下記を追加します。

 iface wlan0 inet dhcp
     wireless-essid SSID名
     wireless-key s:文字列のキーコード
     wireless-mode managed

 これを保存して、再起動。
 sshで有線LANから再接続し、ifconfigで確認したら

wlan0     Link encap:イーサネット  ハードウェアアドレス **:**:**:**:**:** 
          inetアドレス:192.168.0.18 ブロードキャスト:192.168.0.255  マスク:255.255.255.0
          UP BROADCAST RUNNING MULTICAST  MTU:1500  メトリック:1
          RXパケット:110 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
          TXパケット:24 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
      衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000 
          RXバイト:32440 (31.6 KiB)  TXバイト:4404 (4.3 KiB)

 と出たので無線LANにもDHCPからIP配布を受けているので接続できたみたいです。(日本語対応化してあります) 上記に出てきた無線LANのアドレスから

  sudo ssh pi@192.168.0.18

 で無線LAN経由でRaspberry Piに接続すると、接続を継続して良いか聞かれたので、yesと入れると、接続できたようです。
 有線LANを抜いて、再起動し、bonjour使って、

  sudo ssh pi@raspberrypi.local

 でやってみると、無事無線LANで接続OK!めでたしめでたし。
Raspberry PiにWLI-UC-GNM2
 

 ところが、WLI-UC-GNM2は最大消費電力 最大2.5Wとあるのを後から気がつきました。5Vだと最大500mAなので結構大きい。Raspberry Pi TypeBの電流と合わせると最大1200mA、これじゃUSBからの供給では他は繋げられないです。少しでも低消費のにすれば良かったかも...

2013年11月9日土曜日

すっかりおサボりしてました

 半年ぶり!すっかりブログをサボってしまいました。自分でいうのもなんですが、まさに気ままですね。

 さて、この半年間ですが、工作関係をしていなかった訳ではないので、簡単メモっておきますと、
  1. PCB基板のレイアウトとWeb発注
  2. USBオーディオ付録の収集
  3. ワンセグチューナドングルでSDR
などが主なところです。

 1のPCB基板ですが、EAGLEのフリー版を使ってレイアウトし、初めて格安中国メーカFusion PCBに発注しました。とにかく安い(結局のところ、早めに欲しかったので送料の方が高くなってしまいましたが....)。出来は、個人で実験する分には十分なレベルでした。EAGLEの他に、KiCADも使ってみました。フリーのKiCADも結構よく出来ているので今後はそれがメインと思ってます。基板の内容はちょっと言えないのであしからず。

 2はStereo誌やDigiFi誌の付録です。ノイズなどは分かりやすいのですが、Web諸先輩方のようにまでは聞いていないので、これからですね。環境もあるし、ソースや電源、Macの兼ね合いもあるので、オーディオの深さはかなりありそうです。あるオーディオの展示会で潮晴男氏が、耳だけではなく体で聞いている、といのが印象的な言葉でした。自身の耳が老化していくことに対する慰めかもしれませんが、前向きになれますね。
DigiFi誌付録


 
3は最近のネタです。世間的な流行はしばらく前からのようですが、始めたらトラジンスタ技術誌でも掲載され、一巡遅れでやってる感じです。これも格安中華チューナのお陰ですから、世の中の進歩は恐ろしいです。アンテナやサーバでちょっと工作してみようと思ってます。
ワンセグRX DVB-T+DAB+FM R820T

 電子工作系は以前にも増してやろうと思えばやれてしまう世の中になってきました。造形の方も3Dプリンタも流行ってきました。なんだか、マスプロダクションから、ニッチというかナローやローカルというかパーソナルというか、あるいはロングテール狙いというか、そんな事が個人でも出来やすい方向に来ている感じがします。
 
 秋も深まり寒くなってきて、庭関係もあまり手がかからない季節になってくるので、ぼちぼちと気が向いたら、工作ネタ系で書いてみようと思ってます。

2013年4月14日日曜日

Mac版EAGLEを使ってみる その1

TA2020-020も入手できたので、ちょっと、基板でも描いてみよう!と、思い立って、Mac版のEAGLEを使ってみることにしました。
PCBレイアウトソフト
EAGLEとは有名なプリント基板向けのCADソフトでCadsoft Computer社製である。Light Editionは無料で100mm×80mmの2層、非商用で使用できます。ネットで仕入れた知識によると、このソフトの優れているところは、無料であっても基板のサイズと2層であることの制限で、それを除けば、商用版と同じ機能が使用できるるところ。難点は、ライブラリに日本製の部品が乏しいこと。
 機能が便利ならばということで、とりあえずやってみよう!
インストールはVersion 6.4.0 for Mac OS X。何の問題も無く完了。
さて、順番としては、プロジェクトを作って、回路図を作ってから、基板のレイアウトを作るになります。
 ただし、その前に、TA2020-020パーツがないのでライブラリを作成します。

 インストールしたEAGLEのパーツライブラリにはTripathらしきライブラリ

 があったので、中をのぞいて見たところ、登録されて入たのはTA2022だけでした。TA2022はTA2020とはパッケージは同じだが、機能やピン配置が違うので、そのままだと都合が悪い。そこで、これを流用してTA2020のライブラリを作ってみます。
 EAGLEを立ち上げ、FileのOpenのLibraryとして、先ほどのtripath.lbrを開きます。その後、FileのSave as...で、別な名前にして保存することで内容をコピーしたライブラリを作ります。今回はTA2020.lbrとしました。
 TA2020-020とTA2022のデータシートを眺めながら、違う部分を修正します。

 まず、Pakageはそのまま使用。Symbolでは新しくNewでTA2020をつくり、TA2022からSymbolの内容をコピーしてペーストで貼付けます。その後、SymbolのpinのPropertiesから端子名やDirectionの種類を修正していきます。必要に応じて場所の変更も行います。とりあえず、TA2020のデータシート通りに置いてみました。必要かどうか判らないですが、NCピンも追加して書きました。
 TA2020のパーツライブラリは完成。問題が見つかったら、ライブラリをまた修正することにしましょう。
 ライブラリはどこに置いても良いみたいですが、今回はDocuments(書類)にeagleフォルダにlibraryフォルダを作っておいて、そこに入れることにしました。

 こうなると他の部品も欲しくなるので、オペアンプライブラリも編集してつくってみることにします。

2013年4月7日日曜日

TA2020-020、思わずポチッと!

 ここのところ、ブログに書いていたようにLepai LP-2020A+で楽しませてもらっていました。そのこともあって、何気にAmazonを見ていたら、

Tripath TA2020-020 made in USA ¥550-

が出ているではないですか。550円!本物?
思わずポチッとしてしまいました。

早速、届いたのがこれです。
 中身はビニール袋のまわりに緩衝材だけ。緩衝材は帯電防止のようですが、ビニール袋は透明です。透明な帯電防止袋もなくはないらしいですが、どうなのか...
TA2020-020の裏面の放熱板はメッキしてない(しなおしていないのかな)ようなので、こんな感じです。ちゃんと動いて放熱が出来れば問題はないでしょう。
リードも最近見なくなった、いかにもハンダに浸けました的なものです。

これを動かして確かめたいのですが、さすがにLepai LP-2020A+で取り替える訳にはいかないし、どうしたものか。足は千鳥足なのでユニバーサル基板にも刺さりません。いよいよ基板を造る必要(理由)が出てきましたね。
というわけで、おすすめはしませんが、興味のある方はAmazonでご確認ください。



2013年4月6日土曜日

Lepai LP-2020A+ その8 オペアンプの交換

 Lepai LP-2020A+ オペアンプの交換!

いよいよオペアンプ(OPAMP)の交換です。私はTONEを使わずDIRECTモードしか使わないので、2つあるオペアンプのうち、まずメインボリュームの4558とマークされているオペアンプの交換を目的とします。
RCA端子からの受けとメインボリュームに関わるのは上のオペアンプ

面実装オペアンプの交換方法

面実装なので、ちょっとテクニックが必要ですが、外したオペアンプを再利用する気がないなら簡単な方法を。ICのリード(足)を先端が細いニッパで切ってボディーを取ってから、基板に残った足をハンダごてで取れば簡単です。
 再利用するつもりの場合、私はこうしてます。
 まず最初に、ハンダの吸取線でICの足についているハンダを出来るだけ残さずきれいに吸い取ります。ポイントは、基板のランドを十分暖めて、吸い取りきれるまで我慢することです。はじめにICの足それぞれにコテを順番に当てて一度ハンダを溶かして暖めてから、吸取線とコテを当ててハンダを吸い取ります。ICのリードの足がくっきりと見え、基板のランドにもハンダの残りが見られないくらいに出来たら、ピンセットまたは針の出番です。一本のICの足をピンセットで持ち上げるような軽くテンションをかけておいたまま、ICの足にちょっだけハンダゴテで熱を加えます。うまく行けば、パキッと音がすることもありますが、ICの足を浮かせることができます。ハンダがきれいに取れていれば極わずかに持ち上げれば基板から離せます。これを各リードで繰り返して、2回路入りオペアンプなら8本の足に繰り返せば、ICが外せます。あまり過熱しすぎるとランドまで痛めてしまいますので注意が必要です。
オペアンプを外した状態(電解コンデンサも外し中)
外してしまったら、新しいICを搭載します。今回はJRCのMUSES 8920、ブラボー!

  MUSES 8920 Eを実装したのですが、真上からだマークが写りませんね。見えるように斜めから撮ると

MUSES8920E搭載!
うーん、よしよし満足満足。良く撮れました。後ろの100uFコンデンサを代えるの忘れてましたね。オペアンプの電源-GND間のコンデンサです。この後、手前のと同じ東信工業の低インピーダンス100uFに代えました。
 TONEの方のオペアンプには、TONEモードでもDIRECTモードでも信号は伝わっているので動いています。その影響も考慮してそちらも外しました。TONEは使わないので外したままです。

改造のまとめ

一連の改造後はこんな状態になりました。行った結果がこの写真です。
ここまでの改造後 Lepai LP-2020A+ 

実験だけのもありますが、ひとまずこれでいったん終了とします。出力フィルタのコンデンサ代えてない....5V系のコンデンサも.....

オペアンプ MUSES 8920 E 交換後

Lepai LP-2020A+の音は、最初に書いたように立ち上がりがクッキリと切れがあり、ダイナミックな元気のよい音に聞こえます。ただ、私には高音は音が若干こもり、長時間聞いていると疲れます。また、低音の大きな音は出ているのですが、音が重なると弱くなるように聞こえてました。今回の一連の各種交換によって、1枚ベールの取れて、奥行きまで含めて、より立体的になったように思います。低音も踏ん張れて、それぞれの存在がよりリアルになったような、そんな音に変わったように感じます。まだ、ローパスフィルタ(LPF)のコンデンサは放置してありますし、出来れば基板のパターンも変えたいところがいくつかあって気になってますし。本当はこんな実力じゃないだろう.....。
 まあ、プラシーボ効果もありますし、聞いている環境の問題もありますから、あくまで個人の意見と思ってください。それでも、今は満足できています。
 思ったように改造すること自体で十分楽しい。それが一番なんですけどね。壊れても自己責任ですから。さて、手を入れたついでなので、さらにやれるところはやってみたいですね。そのうち、AB級アナログアンプを組んでそれとも比べてみたいと思ってます。
 



2013年3月31日日曜日

Lepai LP-2020A+ その7 出力オフセット調整の実験

 Lepai LP-2020A+の改造引き続きです。今回はスピーカ出力のDCオフセットの調整回路です。最初に書いておきますが、今回は調整の実験だけです。
 私の購入したLP-2020A+は、スピーカ出力端子にそれなりのDCオフセット電圧が出ています。無音時でスピーカ出力端子を実際に測定してみると、
  Rch:無負荷時 71.3mV 
  Lch:無負荷時 -88.5mV 
となっていました。スピーカ接続時でもこの値とは数mV程度の差しかありませんでした。
 TA2020-20のデータシートのスペックには
  VOFFSET:50mVtyp、150mVmax
とありますので、TA2020-020のデータシートの測定条件と同じではないですが、規格内ではあります。それでも、私のスピーカはRe=5.0Ωなので、70mVあると14mAのDC電流が平均的に流れることになるので、出来れば小さくしたいところです。

 そこで、どうするか考えてました。
 TA2020-020のデータシートのAPPLICATION / TEST CIRCUITの回路を見てみると、TA2020は反転入力アンプの端子が10ピン、出力が9ピンとなっていてます。
TA2020-20データシート抜粋
CI含めてRI、RFと内蔵アンプで構成される反転増幅回路によって、基準の14ピンとの差電圧が9ピンに発生し、それに比例した出力電圧がスピーカ出力(ローパスフィルター後)に出てきている構成のようです。入力が反転アンプなので、利得(gain)の式にマイナスの符号がついています。これを見ると、TA2020自体には出力オフセットを調整できるような機能は含まれていないようです。

 DCオフセット電圧とは、回路内の何らかの誤差等が出力にDCとして出ていることなので、入力側でそれを打ち消す信号を入れれば出力のDCオフセット電圧を打ち消すことが出来ます。
出力のローパスフィルター後のスピーカ端子間の電圧から、オペアンプ等を使って回路を組めば自動で調整することも出来なくはないと思われますが、音の信号の経路に余計な回路をぶら下げるのはいろんな影響が出ることもあり好きでもないし、なんといっても面倒です。なんとか、簡単に考えてみます。

 先ほどのAPPLICATION / TEST CIRCUITを見て考えると、結局のところ、左右それぞれの信号入力部の10ピン、および、13ピンのDC電圧を14ピンの電圧に対してわずかに差電圧発生させてオフセット電圧を減らすしかないだろうと考えました。この電圧を微調整する方法として簡単なのは、外部抵抗RIのどちらかの端子へ電流の抜き差しをする方法です。10ピン側の場合、10ピンから電流を引き出すと、内部のアンプによる10ピンと14ピンが同じ電圧になろうとする作用により、抵抗RFにその電流を補うよう9ピンの端子電圧が上がります。この動きを使って、微調整してオフセット電圧をキャンセルしてみます。


 2ピンの5V電源から可変抵抗で分圧し、その電圧によって10ピンおよび13ピンから高抵抗で電流を抜き差しして、DCオフセットを調整してみました。具体的には次のような回路を接続し、半固定抵抗を調整します。
オフセット電圧調整回路(実験)
オフセット調整実験回路
実験の結果、

  Rch:無負荷時  71.3mV → 0.4mV (参考:10ピン端子電圧2.514V)
  Lch:無負荷時 -88.5mV → 0.2mV (参考:13ピン端子電圧2.516V)

に低減できました。
 
 実験でオフセット電圧が低減できるのは確認できましたが、課題問題点が2つあります。

1.信号線へノイズが乗る可能性。
 実験の状態で10ピンに接続して電流を引くとハム音がスピーカから聞こえてしまいます。RIとCIの接続点からであればハム音は聞こえません。実験は配線の引き回しが長いこともある影響も大きいようです。

2.物理的に入れるいい場所がない。
 基板の裏面に入れようかとしましたが、半固定抵抗の厚みがケースに当たって入りません。部品面に持って来ると配線が長くなりそうです。

 ハム音を含めたノイズのこともあるので、もう少し考えてみて、詰め込むかどうするか決めたいと思います。